変わったことがあったので記録しておこうと思う。今日、私は11時からセミナーがあり、予習が間に合っていなかったので早めに大学に行って哲学科の院生用の図書室で朝の9時頃から勉強していた。ちょうど課題の論文を読み終えて見直していたとき、図書室に麦わら帽子を被った東アジア人風の若い男性が入ってきて、あなたは哲学科の学生かと聞いてきた。そうだと答えると、5分話せないかと言ってきた。学部生かと思い、構わないよと告げたところ、私の専門について聞いてきた。簡単に答えたところ、嬉しそうに私の専門の学問領域について質問してきたので、手短に説明してやったところ、強く興味を持った様子で、面白がっていた。そのタイミングで、君は学部生なのか、と私が尋ねたところ、2021年にここの学部を卒業したあと、民間企業で働いていたが、哲学のPhDに進学したく、進学の相談をするためにここに来たんだ、といったようなことを、情熱的に、早口に語っていた。
この大学の学部出身で哲学科を志望している若者を邪険に扱ってもいけないと思い、優しく対応していたのだが、私はセミナーに備えて論文を読み直していたところで忙しいタイミングだった。そこで、だいたい5分ほど話したところで、11時にセミナーがあってその準備で忙しい、もし院生と話したいのならそのセミナーの前に顔を出してくれれば他の院生を紹介してやると告げた。そしたら彼は私に感謝の言葉を残しながら、そして自分はワンピースが大好きなんだと言いながら、嬉しそうに部屋を立ち去っていった。そうして私は11時前まで論文を読み、セミナー室に向かった。
その男は不審者だった。私がセミナー室についたとき、辺りはいささか物々しい雰囲気で、ちょうど学科長がその男を別の場所に連れ出しているところだった。てっきり誰かにアポを取って来ているのだと思っていたが、そういうわけではなかったようだ。その後全体メーリスに届いた注意喚起のメールによると、その男は哲学科の廊下を離れたがらず、しまいには警備員に外に出されたとのことだった。図書室では「ここの学部を卒業した」と言っていたように私には聞こえたが、本当に「ここの」と言っていたのか、今となっては自信がない。私が早合点してしまった可能性も否定できない。危険そうには見えなかったこと、そしてここの学部の出身者だと誤解をしていたことで、私は油断してセミナー室の場所を教えてしまった。親切な対応をしたことは、私にとっては最も安全な選択肢だったとは思う。しかし今思えば、もっと注意深く素性を確認したうえで、事務員さんのところに連れて行くべきだった。大学院に進学したいんだ、と情熱的に語ってくるタイプの不審者がいるとは考えたことすらなかった。反省している。ともかく、誰にも被害がなくて良かった。
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